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黄斑上膜の手術体験記(7)手術中です

黄斑上膜の手術をすると
白内障が進みやすいとのことで
白内障の手術も一緒に行われます。

まずは、白内障の手術から。

以前、母も父も眼科に連れて行って
日帰りで白内障の手術を受けさせたことがあったので
手術時間は15分ぐらいの
さほど大騒ぎしなくて済む手術だということは
知っていました。

ふたりとも
痛くなかったと言っていましたし
実際、術後もとても順調でしたから
なんとまあ
いまの白内障の手術って
こんなに進んでいるんだなぁと思った記憶があります。

母が
「キラキラキラ~って
虹みたいなのが見えて
きれいだったのよ」
と、話していた通り
レンズを抜かれるあたりで
セロハンが虹色に光るような光景が見えます
......が
私の場合、弱い麻酔だったせいか
この辺りからすでに
けっこうな鈍痛があり
しかも、レンズが抜かれるにせよ
レンズを入れられるにせよ
眼の前の世界が激しく揺れ続けるので
眩暈がずっと続いているような感じでした。

大学院生の頃
東京都の青ヶ島に調査に行き
かなり荒れている海を49トンの小さな船で
三時間かけて渡ったことがあります。

4畳半ぐらいの船室に入れていただき
「どっかにぶつかって怪我するといけないから
バケツ小脇に抱えて横になってて」
と、船員さんに言われ
言われたとおりに横になって
カセットテープで音楽を聴いていました。

本当にすごい波で
横になっていても身体が滑るくらい。

ふと窓の外を見上げると
海が斜めに見えて
「......え???」
と、吃驚しましたが
結局、酔うこともなく無事に青ヶ島に到着しました。

父がかつて
上橋の祖先の墓は
五島列島の島の、倭寇の墓の中にあった
と話してくれたことがあり
「そうか、オラぁ倭寇の子孫じゃけん、酔わないんかな」
などと調子に乗っていたのですが
まさか
白内障手術で酔いそうになるとは(^^;

それでも
視野が揺れまくっている時間は
実際には数分程度だったのではと思います。
ですから、船酔いしやすい人でも
過剰に心配しないでくださいね。

「上橋さん、白内障の手術、無事に終わりましたよ。
これから、黄斑上膜の手術に移りますね」

との声が聞こえ、
例の球後麻酔(眼球の後ろの神経への麻酔)注射を
ブス~! ブス~! と刺されて
(この辺りではもう、「どうにでもして」感がいよいよ強くなっていました)
眼球が押されて
ぶっつり、と、細い棒のようなものが入ってくる感覚があり
そこから
なんとも不思議な経験が始まったのでした。

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