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私たちはいま、歴史をつくっている(1)

緊急事態宣言がでて、最初の週末が訪れますね。

北海道大学の西浦教授によれば、
人と人の接触を8割制限することができれば、
たとえ、10日から2週間後に一日千の単位の感染者がでても、
その後、急速に抑えていくことができるけれど、
それ以下では、オーバーシュートを防げないとのこと。

日本の緊急事態宣言は、
欧米でやられているほどの
厳格な措置ではありませんから、
8割の制限はとても難しい。
となれば、凄まじい感染爆発を覚悟せねばならないのでしょう。

それでも、私は、
ほんのわずかですが、
希望の光があるような気がしていて、
それを心の支えに暮らしています。

感染症は、
ひとりひとりが気をつけないと、どんどん感染が連鎖していきます。
でも、逆に言えば、
ひとりひとりが、本気で気をつけるようになると劇的に抑えられるので。

実際、例えば、北海道で、感染者が増え始めたとき、
外出などの自粛をしましたよね。
今回の緊急事態宣言より法的な力は小さかったのに、
多くの道民がそれをちゃんと守った。
その結果、オーバーシュートには至らなかった。
そう考えると、
私たちには、それをやる力があるのではないかな、と、
期待したくなるのです。

「いまの私たち」のことを、
未来を生きる子どもたちの教科書にどう書かれるか、
私はときどき、考えます。
そして、私が、それを読むことが出来る日は
来るのだろうか? と。

2020年の新型コロナのパンデミックは、
間違いなく、世界史に残る大事件ですから。

未来の子どもたちは、
私たちの行動を、どう思いながら読むのでしょうね。

かつて、スペイン風邪が大流行したときの、
アメリカの二つの都市の命運を分けた有名なエピソードを
ご存じの方も多いと思います。

セントルイス市の市長は、
最初の死者が出た段階で、
多くの人が集まる施設を閉鎖し、集会の禁止をし、
市民から大ブーイングを受けましたが、
自分の意志を貫き、それを堅持しました。

一方、フィラデルフィアの市長は、
市中感染率が高まるまで、集会の禁止をしませんでした。

その結果、
フィラデルフィアは多数の死者を出し、
セントルイスは、
感染のピークを二か月も遅らせることに成功して、
死者数も、
フィラデルフィアより遥かに少なく抑えることが出来た。

歴史はすでに、
こういう先例を私たちに教えてくれています。

この事実を知ったら、誰もが思うでしょう。
フィラデルフィアの市長、なんで、もっと早く英断しなかったのか? とか、
セントルイスの市長に大ブーイングをした市民たち、
なんて、先が読めない人たちだったのだろう。
後で恥ずかしい思いをしただろうな、とか。

では、いまの私たちは?
どちらに似ているでしょうか。

後の世の人たちに、私たちは、どう思われるでしょうね。

日本は、欧米と違って、ロックダウンもせず、
必要な対策も出来ずに悲惨なことになった国だ、
と、思われる日が来るのか、
それとも、日本では、政府に強制されなくても見事に乗り切った、
すごいな!
と思われる日が来るのか。

日本の医療体制はすでに崩壊の瀬戸際にありますから、
あっという間に、目を覆いたくなるような事態が、
目の前に現れてくるでしょう。
日々感染者は増えています。
もう、間に合わないかもしれません。

でも、私たちはまだ、負けてはいません。
やれることはあります。

感染症は恐ろしい病気ですが、
一方で、癌などとは大きく違うことがあります。

それは、医師ではない、私たち、ごくふつうの人間
(子どもでも老人でも)が、
人の命を救うことが出来る、ということです。

人・人感染症では、
良い意味でも悪い意味でも、最も大きな力を持っているのは「私たち」です。

私たちが持っている力は両刃の剣で、
私たちはいま、人を殺す力と、人を救う力の両方を持っています。

その、「救う力」の方を発揮することができれば、
私たちは誰でも(子どもでも、老人でも)、
多くの人の命を救うことができるのです。

どうやって?

専門家でもなんでもありませんが、
ごく普通の人である私自身が、
これならやれる、と思っていることなどを、
書いてみようと思います。
(→2に続きます)

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