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生きている言葉で

ドラマの3話目

「光の力」を見たとき

胸に響いたのは

言葉が生きているなぁ、ということでした。

 

人を殺しちゃいけないよ、と言うのは簡単ですが

それでは

アスラのように、心底ひどい運命に苦しんでいる子の心には響かない。

聞きなれた正論ほど

耳の上を滑っていってしまうものです。

 

とはいえ、幼い子どもに

大人にさえ理解が難しい

複雑なことは、伝えられない。

 

では、どう言えばいいのか。

 

あまり口が上手くないバルサが、とつとつと話しかけた言葉は

バルサの身の内側からでた実感で

だからこそ、言葉が生きていました。

 

ここは、本当に好きなシーンで

私は何度も繰り返し見ています。

 

チャグムの言葉も、生きていました。

言葉の上っ面だけを辿れば

まあ、良い子ちゃんな言葉だな、と思われそうなことを言っているのに

ごく自然に、胸に響いてきましたから。

 

このシーンを見たとき

私は、実は、かなり驚いたのです。

 

これは、難しいシーンで

物語の中のチャグムなら自然に「魅せる」ことができても

人が演じて、「魅せる」ことが出来るか、

長く不安に感じていましたから

実際に出来上がってきたシーンをみて

チャグムの言葉が、素直に胸に響いてきたことに驚いたのでした。

 

これは板垣瑞生さんが

生来もっている何かが生きたのでしょうね。

 

一方で、

ディーン・イーハンは

言葉ではなく表情で、内心の不安や葛藤を見せておられて

これまた、イーハンらしい、と思いました。

 

明日、放送される3話を

見るお気持ちの方がおられましたら

生きた言葉と

生きた表情のこと

ちょっと心にとめて、見てみていただけたらうれしいです。

 

 

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総合 毎週土曜 午後9時から9時58分

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