自分が書いた物語を映像化していただくと
自分では意識していなかった構造が
見えてくることがあります。
ドラマ『精霊の守り人』最終章の
第五話「槍舞い」を見たとき
とても意外だったのは
「ふたりの王子」が輝いて見えたことでした。
バルサとジグロ
バルサとログサム
ジグロとログサム
ログサムとカグロ
そして
ジグロとユーカ
こういうラインが輝くであろうことは
脚本を読ませていただいたときから
わかっていたのです。
ただ、出来上がったドラマを観るまで
気がかりだったのは
「あの場」にチャグムがいると、どう見えるだろう
ということでした。
とくに『闇の守り人』を愛してくださっている読者に
そのことが
どう見えるだろう、と
かなり気になっていたのです。
しかし、開けてびっくり玉手箱
うわあ、あの場に
チャグムがいて、良かった! と、思いました。
そして、ラダール王子!
中川さん演じるラダール王子が、とても良いのです。
彼のお陰で
ログサムにまで、複雑な深み(人間味)が滲みだし
おお、と驚きました。
同時に
自分が書いた物語の奥にあった
命の継承の構図が浮かび上がって見えてきて
かなり驚きました。
去る者をみて
まだ生きねばならぬ者が
己の生き様を思う物語であることが
ふたりの、まだ若い王子たちのお陰で
しっかりと見えてきたのです。
そして
つくづく、綾瀬さんがバルサで良かったな、と思いました。
強かで枯れた感じと、まだ折れそうな若い枝の両方を
滑らかに見せることができる綾瀬さんだからこその
槍舞いでした。
それにしても
槍舞いをこの目で見ることが出来る日が来るとは
書いていたときは夢にも思いませんでした。
ほぼ全編、短槍での闘いが繰り広げられる第五話
彼らがなにを弔ったのか
見届けていただけたら幸せです。
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■NHK大河ファンタジー 「精霊の守り人」公式サイト
【次回予告】
第5回 「槍(やり)舞い」
2017年12月23日(土)
午後9時00分から9時58分
2018年1月6日(土)
午前0時10分から1時08分[金曜深夜](再放送)