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海へ飛び込む(2) もうひとつの旅立ち

欧米に実写ドラマが売れない理由には
「話数」も大きく関わっているそうです。

日本のドラマは
大河や朝ドラ以外は、
ほぼ10話から12話程度ですが
それでは短すぎて
海外の様々な国の
放送の枠にあわないのだそうです。

『精霊の守り人』が
3年にまたがって不定期に放送するという
視聴率獲得にはリスキーな方法を用いても
22話つくったのは
最初から、世界を視野に入れていたからです。

だからこそ
日本が誇る「王の槍」のような
素晴らしい俳優さんたちに出演してもらって
全編4Kで
映画と見まごうばかりの映像を作り上げたのです。

そもそも
異世界ファンタジーは
日本ではハードルが高いんです

日本人はカタカナ苦手ですし(笑)
ファンタジーも苦手な人が多い

設定が難しくて、面倒くさいし
一話とばすとわからなくなってしまったりする

視聴習慣がついていない枠で
3年もかけて、不定期にやったら
見忘れて、ついていけなくなる視聴者が
次々脱落していく。

実にリスキーです

でも、
海外の視聴者は
カタカナ苦手ではありません(笑)

日本が舞台ではないので
どの国でも同じように「異世界ファンタジー」として
観てもらえます。

それを証明したのが
国際エミー賞最終候補ノミネートであり
カンヌ映像コンテンツ見本市での
日本人初のレッドカーペットであり
アジアでの配信だったわけです。

そういう試みは
今回のような機会でもなければ
なかなか出来ることではないでしょうね。
ビジネス的に、あまりにリスキーですから。

しかし
テレビドラマや映画には
ビジネスの側面だけでなく
文化の交流を生みだす力もあります。

アニメや漫画が世界に広がることで
フジヤマ、ゲイシャ、ハラキリ、サムライといった
ステレオタイプの日本イメージは随分払拭されましたよね。

日本で生み出された映像や本などの作品が
世界に広がっていくことには
本当に大きな意味があるはずです。

ドラマ『精霊の守り人』は
どういう旅をするのでしょうか。

新しい試みばかりの作品ですから
はてさて
どのくらい世界で通用するのやら
まだ見えないところはたくさんあります。

アジアには売れても
欧米には、やはり売れないということも
あるかもしれません。

でも
技術というものは
やってみる機会が与えられなかったら
進歩することすら、できないものです。

制作に携わった多くの人たちと話しているとき
彼らが
こんな新しい試みができた
あんなことを試すこともできた
と、
いかにも「モノをつくる人たち」らしい喜びに
顔を輝かせていたことが
忘れられません。

あの笑顔をみられただけでも
私は幸せです。

ドラマ『精霊の守り人』は
全22話が出来上がり
日本での放送を終えたいま
もうひとつの旅に出るのです。

チャグムが海にとびこんだような
まだまだ、無謀な旅かもしれませんが
やってみなくては、道は拓けませんから、
ともかく、跳んでみろ! ですね(^^)

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