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祝! ドラマ『精霊の守り人』 伊藤熹朔賞受賞!

手術体験記を一回お休みして
今日はドラマ関係のお話を

舞台美術やテレビ美術の
最高の賞
伊藤熹朔賞の本賞に
ドラマ『精霊の守り人』Ⅱ悲しき破壊神の美術が選ばれたのです!
http://www.jtvan.or.jp/award_6.php

第一報を聞いたときは
わ~やった!! と、小躍りしてしまいました。

あの物凄い努力が報われて
この最高の賞を美術スタッフが受賞した、というのが
本当にうれしくて仕方ありません。

美術スタッフの御頭(笑)
山口類児さんは
穏やかな雰囲気のあるイケメンですが
実は
私とは、びっくり! のご縁がある方なのです。

私は大学生になるまで
文化人類学という学問があることを知らなかったのですが
二年生のとき
『アフリカの神話的世界』という本を読み込む授業があり
そこで、大衝撃を受けて
文化人類学の研究者への道を進みはじめました。

その本の著者が
著名な文化人類学者、山口昌男先生でした。

当時の、文化人類学に興味がある学生で
『文化と両義性』を読んだことがない人は
いなかったのでは? というほど
有名な学者です。

山口類児さんは
なんと、この山口昌男先生の息子さん!

巡り巡って
自分が書いた物語の世界を
山口昌男先生の息子さんに造っていただく日が来ようとは
あの頃は
夢にも思っていませんでしたが
そんなことが
本当に起きるものなのですね。

山口類児さんは
『龍馬伝』『平清盛』などでも
素晴らしいお仕事をされていますが
文化人類学的な素養がおありなので
今回も
「見たことのないアジア」をコンセプトとした
異世界を
細部にわたって見事に表現してくださいました。

授賞式は9月9日
テレビ朝日本社で行われました。

私はまだ術後二週間ちょいでしたが
主治医にOKを頂いて出席することができました。

P1060848.JPG

左から四人目が山口類児さんです。

この授賞式
とても面白かったのです。

例えば
昨年の大ヒット作
『逃げるは恥だが役に立つ』は
協会メンバーが選ぶ協会賞を受賞したのですが
その美術担当の方と
プロデューサーさんは
リアルな日常生活ではなく
現実より少し上の夢
こんな感じだったら良いな
というイメージを目指したそうで
新婚さんへのアンケート結果などから
新婚さんが欲しいと思っているキッチンアイテムを探り出し
さりげなくキッチンに置く
というような
細かい演出を心がけていたのだそうです。

そういう細かい「夢」が集まって
視聴者が心地よさの魔法にかけられたわけですね。

テレビドラマだもの
そういうものだろう、と思うかもしれませんが
夢を日常から浮かせずに見せるのって
難しいはずです。
だからこそ
そのセンスと努力が評価されたのでしょう。

守り人は
現実より、むしろハードな世界を描いていますが
それでも
いつのまにかそこで暮らしているような気もちになる
そういう
自然な光、色使いを心がけてくださっています。

膨大な時間をかけ
大変な努力をして作り上げた「世界」が
撮影後にはあっというまに崩され、消えてしまう
テレビのセットの世界

でも、その一瞬の世界に人生を注ぎ込んでいる
美術スタッフのお陰で
私たちは
お茶の間にいながらにして
異世界に旅することができる。

山口さんはじめ
美術スタッフのみなさん
本当にありがとう!

そして
本当におめでとうございました!

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