上橋菜穂子 公式サイト  「木漏れ陽のもとで」

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最終章の記者試写会&記者会見行ってきました

NHKには映画館のような巨大スクリーンを備えた
試写会用の部屋があります。

最終章の記者試写会&記者会見が
13日に行われたのですが
広い試写室は満席になっていました。

綾瀬さんは他の仕事もあったそうで
早朝からのNHK入りで
控室に「こんちゃ!」と声をかけにいくと
お昼ご飯の真っ最中
お箸をもったまま
「あ、こんにちは~!」と笑ってくれました。

この日の記者会見の模様は
もう各紙がとりあげてくださっていますね。
綾瀬さんの「言っちゃった!」発言中心に(笑)

新聞などは紙面が限られているので
実際はどんなやりとりだったのか
一部分ですけれど
ご紹介しますね。

綾瀬さんが
アクションを例にだして質問に答えていく場面で
第一シーズンの、あの狩人との死闘のシーンが
ものすごく大変で
私は本当にやっていけるのだろうか
と、不安になるほどだったのだけれど
あの死闘シーンを演じきったとき
バルサという人が見えてきて
自分の中でバルサに成っていく感覚が生まれた

と、いう意味のことをおっしゃったので
私が横から
「第二シーズン、最終章と進むうちに、身体が慣れてきたってこと
あった?」
と尋ねた答えが
「そう! 第二シーズンでは、
もう身体が出来上がっていて
アクションが自分のものになっていて
ほんとに、凄く楽しくて
最終章では、物足りない! と思うくらいになってました(笑)」

という答えだったわけです。

そして、そのときに
「動きについては、物凄く考えたんです。
例えば、同じように短槍をふるうにしても
ただ振り下ろし、斬るのではなくて
刃を押しながら振り下ろし、
ぐっと引きながら斬る、というような動作にしたり。

そういう「動き」について考えた、というだけでなくて
アクションって、こめられている意味によって違うんだって
最終章をやってよくわかったんです。
ラウル王子とのときは、「気づけ!」みたいな気持ちで......」

と言ってしまい
傍で聴いていた私たちは
どひゃ~!! ネタバラシしてる~と慌てたのでした(笑)

綾瀬さんは鈴木亮平さんと
高良健吾さんに挟まれていたのですが
ふたりの気配に気づいた綾瀬さんが
「あ、いまのネタバレ?」
と、尋ねると
私ら全員が、うんうん、と頷いたというわけで(^^;

さらに、ラウル王子が泥んこになった、と言ってしまい
そこでは鈴木亮平さんから
「それ、あの、ちょっと......マズくないですか、泥んことか」
と言われて
綾瀬さん、ダハハ
みんな、ダハハ
という状態でございました(笑)

ネタバレっちゃ、壮大なネタバレなんですが(^^;
でもまあ、綾瀬さんのお答え自体は
バルサになるという感覚が
アクションを通して、どう掴み取られていったかがわかる
とても心に響く答えだったのです。

しかし
綾瀬さんの壮大なネタバレの後に質問された高良さんは
「いや、どうしよう、ぼくが答えようと思ったこと
もっとすごいネタバレになっちゃうかな......」
と悩んでおられました(笑)

片岡監督が
スケールの壮大さではシンゴジラを凌ぐかも~などという
超強気発言をしたとき
高良さんがそれを受けて
「いや、ぼくは『シンゴジラ』にも出させていただいているので、
それはちょっと......」
と言って、会場を沸かせておられました。

高良さんは
このドラマを
異世界のナンデモアリのファンタジーというより
「地球の話」「ぼくたちの話」として捉えている、と
真摯な言い方で伝えておらて
傍で聴いていて、とても嬉しかったです。

鈴木亮平さんはいつも
当意即妙+1のコメントをなさる
コメント巧者なのですが
「ぼくは、第二シーズンでは、
こいつ、バルサと同じくらい強いんじゃ? 
と、思わせるような凄いアクションシーンがあったのに
最終章ではアクションさせてもらえなくて
ラウル王子が、イケイケな感じの上司で
「(戦さに)行くぞ! 行くぞ!」状態になっていく中で
「行きましょう! 行きましょう!」と、口では同調しながら、
実際は行かないという中間管理職みたいな苦悩を体現していて......」

と言って、再び会場を笑わせていました。

マスコミにとっては
なにしろ、綾瀬さんたちが何を言うかが大切で
私の発言はほとんど記事にはなりませんでしたが
私は、ふたつのことを軸にコメントしました。

ひとつは
『精霊の守り人』を書いていたときは
物語が「自分そのもの」だったので
見えなかったところが
ドラマにしていただいて
物語の骨格をもう一度自分で再構成してみると
ああ、こういう物語だったのか、と
驚くことがあった、とお話ししました。

かつては自分自身が魚だったので
泳いでいる海しか見えなかったけれど
いまは、その「魚」をまな板の上に載せて捌き
料理をしてみることで
読者が味わっていた旨味(物語として強いところ)と
マズイ部分(物語としての弱み)が
私自身にもよくわかった
という喩話をしながら。

もうひとつは
この物語には絶対的な正義(光)も悪(闇)もなくて
それぞれが、己が正しいと思うことをしながら生きるのだけれど
この世は無情で、無常で、理不尽で
どれほど願ったことも
必死で努力したことも
一瞬にして無に帰されてしまうことがあって
それでも
そういう世界に置かれたちっぽけな生き物であっても
生きて行かなくてはならず
泥だらけの道を歩みながら
生きていく人の姿が、美しいな、と思ったら
それだけで見ていただいた甲斐がある、とお話ししました。

最終章は
まさに、そういうドラマになっていると思います。

これまでとは雰囲気がかなり違って
人の心がじっくり描かれています。

試写会で第一話を観ている間に
泣いている人たちがいたことが印象的でした。

わかりやすい哀しさではありませんが
響く人には、きっと響く、と思います。


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11/25 NHK大河ファンタジー「精霊の守り人 最終章」放送開始!
■「精霊の守り人 最終章」公式サイト

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