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本当の怖さは

今週放送される「帝国の牙」は
全編、怖さに満ち溢れています。


ホラーの怖さとは
まったく違う種類の怖さです。


自分の答えひとつ
判断ひとつで
多くの人々の人生が一変するかもしれない。
今回、板垣チャグムくんは
そういう状況を
ひとりで乗り切らなくてはならないので
見ていると
本気でハラハラします。

板垣くんが
本当にチャグムと、ほぼ同じ年なので
よけいに、リアルに、ハラハラします。


問題集の最後に答えが載っていて
失敗は自分に跳ね返ってくるだけ
失敗を教訓として学んでおけば
後で挽回する道がある。

そういう状況とは違う
自分の判断ひとつが
自分の死、人の死に
直結してしまう世界で生きている15歳は
いまの世界にも、いるのですよね。


命には関わらなくても
社会にでれば
そういう「怖い」場面を経験することは
いくらでも、あるもので
今回は、そういう経験をした大人たちが
共感することもあるかもしれません。


それにしても
高良健吾さん、鈴木亮平さん、小市慢太郎さん
それぞれ、すごいです。
みな、浅くないのです。
大人の怖さを感じさせる、厚みがある。


高良さんの「緩・急」「冷・温」の妙
ぜひ、楽しんでください。
わずかでも、
タイミングがずれたら印象が変わってしまう
超難しい、雲母の光のような表現を
滑らかにこなしておられる様は
一見の価値あり、です。
 

そして
なにしろチャグムくん。
板垣くん、素晴らしい。
 

今回は
板垣チャグムくんと
小林チャグムくんが、ふたりで
ドラマに命をもたらしてくれます。
 

彼らを静かに輝かせる
ナユグの光が美しいですよ。
 

今回の演出は
チャグムのお祖父さんのトーサ大提督が
船と共に世を去った回を演出した
中島さんです。
 

中島さんの演出は
あれ? あのセリフ、ここで出さないの?
と、思っていると
その後に、ずっと効果的に出てきて
お、巧い! と、なる。
 

2話では
いったん、
「殿下は、生きることが務めです」
のセリフのところでシーンが終わり
あれ? 
一番大切な
祖父の本音としては、
孫のあなたに、どこかで生きていて欲しい
というセリフ、削っちゃったのかな、と
焦っていると
最も効果的な場面で、挿入されて
そうきたか!
と、思いましたが
今回も、それに良く似た巧みな演出が光ります。
 

それがどこか、気づいてくださる方
おられるかなぁ。
おられたら、握手! ですな(^^)
 

ちなみに
緊張、緊張のドラマの中で
ああ、これは本当に良いセリフだなぁ
と、思ったのは
東出タンダくんのセリフでした。
 

もっさりメイクのタンダくんですが
時折、はっとするほどイケメンで
これは、あれだ、
眼鏡男子が眼鏡をとると......のパターンだ
などと思っておりました(笑)
 
 
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■NHK大河ファンタジー 「精霊の守り人」公式サイト
 
<次回放送>
第6回「帝国の牙」
総合2017年2月25日(土)
午後9時から9時58分

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