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黄斑上膜の手術体験記(1)

ながらくご無沙汰でござりました。

実は、8月23日に目の手術をしまして
一週間ほど入院をしておりました。

同じ病気で、これから手術、
どんな手術か心配で......
という方もいらっしゃると思いますし
手術自体がとても面白い経験だったので
何回かにわたって
書いてみようと思います。

私の右目の病名は黄斑上膜。

二年ほど前から
右目に異常を感じはじめ
この半年ほどは
眼鏡の右側のレンズに紙を貼って
視界を塞がないと
パソコン画面の文字が読めない状態でした。
(ちなみに、現在も、です)

黄斑上膜というのは
読んで字のごとく
目の黄斑の上に
ごく薄いセロファン状の膜ができる病気です。

加齢が原因のことが多いようですが(ちぇっ 笑)
予防などは難しくて
治療するのであれば
手術しか方法がありません。

人の眼球の中で
いわばカメラのフィルムのような役割を果たすのが
網膜ですよね。

これまで気づかなかったのですけれど
網の膜と書くように「膜」なんですね。
眼球の内側を裏打ちしている神経の膜で
中でも最も物を鮮明に感じ、捉えられる部分が
黄斑なのだそうです。

その上に薄い膜がはっているわけですから
視力が低下していきますが
はっきりと視力低下しないかぎり
視力の低下では異常に気づかないのでは?
という気がします。

ただ
膜が厚くなってきて
網膜を引っ張って縮ませたり
黄斑がむくんだりすると
物が歪んで見えるようになるのですよ。

そりゃそうですよね
フィルムを摘まんで歪ませたら
映る画像も歪みますもん。

私の場合は2年ほど前の
ドラマ『精霊の守り人』撮影開始時の顔合わせのとき
NHKの広大な部屋に置かれた
大きなロの字型の机の
向こう側に座っていた
綾瀬バルサさんや小林チャグムくんの目が四つに見えて
「えええ???」
と、思ったのが最初でした。

近くで話している人たちなどは
ごく普通に見えていたので
気づかなかったのですが、
遠くの人の顔はみな
目が上下に二個ずつあるように見えたのです。

もともとド近眼の上に乱視もあるので
お月様などは何重にも見えていましたから
気づくのが遅かったのかもしれません。

あらためて
自分の見え方に気をつけてみると
例えば高速道路を運転しているときなど
遠くにある街路灯が
上下にダブって見える。

空を飛んでいる鳥なども
上下に二羽いるように見える。

ただの乱視とは思えない
これまでとは違う見え方になっていたのです。

これは大変だ、と思いました。

複視にはいくつか原因がありますが
脳が原因の場合もあるので
怖かったのです。

パソコンの画面の線なども
右目だけで見ると
横線が、うねうね波打って見えたので
目の動きが原因の複視ではなくて
目そのものに原因があるのかもしれない、と思いましたが
脳や神経に原因があって
右目の動きだけに異変が起きているのかも、とも
思いました。

急いで眼科に行きたかったのですが
当時は、母の肺がんの治療が始まったばかりで
化学療法のために
母を聖路加国際病院に入院させることが多くて
私は完全に母に付き添っていましたから
なかなか眼科受診するのが難しかったのです。

しかし、ふと、
そうか、どうせ長々聖路加にいるのだから
聖路加の眼科で診てもらうという手もあるなぁ、と気がつき、
眼科部長の大越先生(と~っても美人!!!)に
診ていただくことになったのでした。

様々なSFチックな装置を使った検査を受け
(一番面白かったのは、複視の状態を探る検査で
ほぼ、ゲーム感覚 笑)
脳が原因ではなくて
黄斑上膜なのだ、とわかったときは
心底、ほっとしましたが
同時に、手術しか治療法がないとなると
こりゃ大変、とも思いました。

つづく

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